この1年で200万部以上も減少した…「日本の新聞」が消滅の予兆。ネットの声

■この25年間で「5376万部」から「3084万部」に

通勤電車の中で新聞を読むという朝の光景が姿を消して久しい。家庭でも食卓に新聞が載っている家はもはや少ないだろう。紙の新聞は昭和を感じさせる小道具になりつつあると言っても過言ではない。それぐらい身近な存在から遠のいている。

日本新聞協会が発表した2022年10月時点の新聞発行部数は3084万部。1年前に比べて218万部、率にして6.6%減少した。新聞発行のピークは1997年で、その時の総発行部数は5376万部。25年の間に2300万部余りが減少した。読売新聞は「発行部数世界一」でギネス記録にも認定され、かつて発行部数1000万部を超えていた。要は読売が2つ消えた格好である。

新聞の発行部数の減少が目立ち始めたのは2008年ごろ。それまで1%未満の増減だったものが、2008年に1%を超える減少を記録した。それ以降、減少率は急速に拡大し、2014年には3.5%減、2018年には5.3%減、2020年には7.2%減となった。つまり、減少ピッチは収まっていないのだ。このままのペースで減りつづければ、20年以内に紙の新聞は消滅してしまう。

■スマホが新聞を凋落へと追いやった

なぜ紙の新聞が読まれなくなったか。

言うまでもなくデジタル化・インターネット化の進展による情報ツールの変化がある。そういう意味では2008年は象徴的な年だった。前年にスマートフォンの「iPhone(アイフォーン)」が発売され、携帯電話が情報端末として一気に注目されていった。

その後も紙の凋落が止まらなくなったのは、スマホが進化を遂げ続けたからだ。

今やスマホは「電話器」としての範疇を超え、「情報端末」や「カメラ」として機能が求められる複合機器になった。それをほぼ全員が携帯して持ち歩く社会になったわけだ。それが情報パッケージとしての紙の新聞を凋落へと追いやった。

インターネットの普及と常時定額接続など情報通信インフラの劇的な進化も背景にあったのは言うまでもない。

■「新聞をほぼ毎日読む」という大学生は1%

紙の新聞の部数激減が止まらないのは、若い世代がほとんど新聞を読まなくなったためだ。

私が2022年度に講義を持った千葉商科大学の学生延べ977人にアンケートしたところ、回答した876人のうち紙の新聞を購読してほぼ毎日読むと答えた学生は9人(1%)だった。これには自宅からの通学で親が購読している新聞を読んでいるという学生も含まれる。

一方、「まったく読まない」と答えた学生は62%に当たる540人に達した。もちろん同じ大学に通う学生という偏りはあるものの、平均的な若者と新聞との関係を示していると見ていいだろう。

日本新聞協会の統計で「1世帯あたりの部数」を見ると0.53部なので、つまり平均では2世帯に1部ということになる。もちろん高齢者やビジネスマンには複数部数を購読している人もいるから、実際には新聞を購読していない世帯は5割を超えるだろう。学生の6割が「まったく読まない」という回答は実態を表していると見ていいのではないか。

残りの回答は「レポートなど必要な時に月数回程度読む」と答えた学生が213人(24%)、「週に1、2回程度読む」とした学生が108人(12%)、「週に3、4回程度読む」が6人(1%)だった。

学生に聞くと「新聞はおじいちゃんが読んでいます」という答えが返ってくる。若者から見れば、高齢者のメディア、という位置付けなのだろうか。

■「ニュースサイト」と「デジタル版」はまったく別物

「紙の新聞は滅びても、デジタル版がある」という声もある。

確かに、「紙面ビューワー」で紙の新聞のスタイルを、オンライン上で読むこともできる。だが、若者の多くは、ビューワーは使いにくいという。慣れない縦書きの上、紙の新聞を読み慣れていないため、記事がどこからどこへつながるかがわかりにくいというのだ。

結局、電子版の主軸は横書きのニュースサイトが主流だ。しかも、日経新聞などは紙の新聞よりもネットに記事を先に流す「デジタル・ファースト」を強めている。紙の新聞に親しんだ世代が、ビューワーの中心利用者と見られ、いわばそうした世代向けの「移行モデル」と言えなくもない。

つまり、紙の新聞の発行部数が減るのに比例して、ビューワーの利用も減っていく可能性が高い。

そうなると、横書きのニュースサイトが「新聞」の中心になるわけだが、これと紙の新聞はまったく性格が異なる「別のメディア」と言っていい。

■紙では「求めていないニュース」に出会える

しばしば指摘されるように、新聞紙大の一覧性の高さは、どんなにパソコン画面が大きくなってもかなわない。紙の新聞に親しんで人なら分かるように、見出しが目に飛び込んでくる新聞は情報を短時間で把握するツールとして圧倒的に有利だ。もちろん、これも「慣れ」の問題だとも言えるが、紙の新聞の捨てがたい機能のひとつだろう。

もうひとつ、これも指摘されることだが、紙の新聞の場合、自分から求めていないニュースが紙面で大々的に展開されている意外性に直面することが少なくない。新聞社が考える「ニュースバリュー」が「見出し」の大小となって表れる。もちろん、ニュースサイト型の新聞も並ぶ順番などは新聞社の意思が反映されているが、紙に比べ、「並列感」が強い。

また、ネットメディアならではの機能として、読者個人の関心に応じたニュースが優先的に表示される仕組みが広がっている。自身が意図して「選択」しているケースもあるが、無意識のうちに人工知能などによって「配信」されているものも多い。つまり、知らず知らずのうちに、似たようなニュースを繰り返し読んでいるということになる。

どんどん「意外性」とは真逆にある、興味の範囲内の情報しか受け取らなくなっている可能性がある。ネットメディアはそうした傾向が強いわけだ。

■SNSの利用者は「他人の意見」を聞こうとはしない

さらにSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)になれば、もはや自身の意見に近い意見が多く表示され、「友だち」になる人も情報の指向性では「似たもの同士」が集まっていく傾向が強い。

シリコンバレー発の世界最大級の知識共有プラットフォーム「Quora」のエバンジェリスト、江島健太郎氏は以前、筆者のインタビューに答えて、「SNSなどのネット上の場合、議論というよりも、自分に似た意見に同調し、『信念を強化』する場になっている」と語っていた。両論併記を心がける新聞などの伝統的ジャーナリズムと違い、SNSの利用者は「他人の意見はどんどん聞かなくなって閉じ籠もっている」というのだ。

もしかすると、今、世界で起きている「分断」はこうした情報の伝わり方の変化が大きな要因になっているのではないか。

米国でもトランプ前大統領を支持する人たちは、対立陣営が「嘘」と断じるトランプ氏の言説を信じて疑わない。それも少数の人たちではなく、国民を二分することになっている。似たような「分断」は英国のEU離脱の国民投票や、ブラジルの大統領選を巡る暴動事件などにも表れている。人々の情報の取り方の変化が、不寛容な世論を拡大させ、社会の分断を加速させているのではないか。

■「ジャーナリスト」を育てる場所が減っている

紙の新聞の凋落は時代の潮流であることは間違いない。だが、それと同時に「公正中立」「両論併記」といった新聞ジャーナリズムが長年かけて築き上げた価値観も急速に失われているように見える。

紙の新聞は発行部数が増えることで猛烈な収益力を誇ってきた。要は儲かる情報産業だったのだ。ところが、デジタル化することによって新聞社の収益力は急速に下がっている。賃貸ビルからの不動産収入などに大きく依存するところも増えている。高い収益力を背景にジャーナリストを育ててきた人材育成力も、大きく損なわれつつある。紙の新聞の凋落がジャーナリズムの崩壊を招かないことを祈るばかりだ。

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磯山 友幸(いそやま・ともゆき)
経済ジャーナリスト
千葉商科大学教授。1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年に退社、独立。著書に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)、共著に『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

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※写真はイメージです - 写真=iStock.com/skybluejapan

(出典 news.nicovideo.jp)

新聞もういらんでしょ。

かさばるし捨てるの面倒だし。

購読するとしてもWeb版でしょ。

𠮷川晃司

<このニュースへのネットの反応>

現代の粗探ししてないで、オールドメディアになったことをまず認めて、なぜオールドなったのかを考えたらどうかね

「SNSの利用者は『他人の意見』を聞こうとはしない」新聞ほどじゃないと思うが。

「なぜ紙の新聞が読まれなくなったか。言うまでもなくデジタル化・インターネット化の進展による情報ツールの変化がある」情報ツールの変化ごときでは、「わざわざ読むのを止める」という事はせんだろ。凋落時のリアルタイムにどの様な報道を行っていたかは考えなくていいのか?

自分たちの報じたい事を厳選する広報紙に価値は無いだろ。

待合室の新聞もコロナのせいで無くしたからな。特化してる地方紙はともかく、全国紙なんて存在価値ないでしょ。

「自分に似た意見に同調し、『信念を強化』する場になっている」新聞が大昔からやってる事

プレオンの記事だって無料だから批判コメが飛んでくるわけで、有料だったらコメントなんかつかんやろな

読むに値しないだけだろ。迷惑だから無料でも記事上げんな

紙とインクを無駄に消費する新聞はエコじゃないから消えてどうぞ。配達員も原付使うとエコじゃないんで消えてください。

減税対象に入れた甲斐は無かったようでw

読みたいって思えるような記事を描いてないからだろ。漫画や雑誌でも読みたいって思わなければ廃刊するぞ。そのあたりを自分らで考えなくて読み手側がって!そら部数減るやろ。

素人が簡単に裏どりできるような確かな情報でも、作為的に報じる、報じないを取捨選択して一方的な情報のみを載せている、その時点で無料のネット以下なのだから金を出して買う意味が無い。

郵便受けのいらんチラシとか迷惑メールみたいなもんじゃね

自分が子供の頃実家は朝日新聞を購読してたが、あの頃の天声人語は綺麗で簡潔な文章で面白い情報がみっちり圧縮されてて毎朝読むのが楽しみだったなぁ…いつの頃からか反自民の落書きコーナー(夕刊の素粒子欄はもっとひどかった)になって読む価値がなくなったが

新聞、ラジオ、テレビ全てプロパガンダ目的で普及させて来たのに公平中立ねぇw

雑用に使える紙そのものにしか価値がない。書いてある文字に価値がない。インクの無駄。

新聞がなくなって困ったよ、掃除するのにあそこまで便利だった物はなかった。

>SNSの利用者は「他人の意見」を聞こうとはしない 笑わせんなw 見た瞬間にリアルで「ハッ」って鼻で笑っちまったじゃねーかw 失笑なんて久しぶりだったわw あのな、お前ら記者ほど独善的で身勝手で自分の意見を押し付けてそれで他者を見下して愉悦に浸ってるような奴なんて他に政治家と官僚と弁護士ぐらいしか知らんわw

掃除とか梱包用なら一山いくらで安く買えますよ。わざわざお高い新聞社から買う必要はないですぜ

SNS利用者は…ニコニューで独自理論を展開するだけに必死になって他人(読者)のコメントに一切耳を貸さないプレオンが言えた義理か?

朝日、毎日をはじめ反日クソ新聞という認識が広まった証拠でしょうなぁ、消えてくれてこまることもないだろうしさっさと消えてくれ。

内容がゴミだからだろうね

信用のある新聞ならこれから先も消えずに残る可能性は十分にあるわ、地方紙みたいに細々とやってるところなんていくらでもあるしな。TVと一緒で減少を続けているメディアに信用がないだけの事なのに一緒くたにして主語を大きくすんな。それとも信用の無い新聞社がトチ狂って他の新聞社まで道連れにしようとか考えてるのか?

「JING 新聞、ラジオ、テレビ全てプロパガンダ目的で普及させて来たのに公平中立ねぇ」>違いますよ(←これもプロパガンダ)、プロパガンダを洗脳とかデマみたいに思ってるようですが正確にはそうではありません、プロパガンダとは何かというと…(←これもプロパry)、詳しくは「ゆっくり プロパガンダ」でググれ(←これもプロry)

3年ほど前に購読をやめたが、新聞読まなくても生活に支障はない。つまりはその程度に情報しかない訳で。

単純にマスメディアの信頼度が地に落ちてるせいでググったほうが早い、あと何なら災害情報に関しては現地の人のツイッター見てるほうが把握も早い

>SNSの利用者は「他人の意見」を聞こうとはしない。逆だ!逆!!!これからはコメントして討論する場の無い新聞は、時代に合わないんだよ!記者の一方的な価値観を押し付けるな!もしくは世論を誘導する様な記事を書くな!

情報が遅い内容も酷いじゃ買う気にはならんよ

日本の新聞であっても、日本の為の新聞ではないからでしょ。偏向捏造なんでもあり、朝日のように日本を貶める為なら何でもやるようなゴミばかり。1度全部潰れてやり直せ。

関東震災の地震(津波で流されてるやつ)の写真見せつけてきて契約(契約したら1割募金しますんで現地が救われる)してくださいと言ってきた東京新聞が許せない、しかも玄関でたすけてくれないんですか!近所に聞こえるように騒いでクソウザイ、しかもほかの家族(年寄)に話すから変われとか言い出したから警察よぼうか?ってキレぎみでいったらにげていったな東京新聞の*

「紙では求めていないニュースに出会える」 ← 紙では、新聞社所属の記者が書いたニュースとしか出会えねーんだよw しかも「どこの新聞社も書いてる記事が同じ」

【紙では求めていないニュースに出会える】 ← 昨日のニュースにな?昨日のニュースなど誰も求めてないんですが?遅過ぎるw

ついでにお前らにとどめ刺したのはNHKによるテレビ離れと自作自演と捏造不振からだ■そういえば赤旗しんぶんだっけ国会議員の寄付金(要求する寄付金1000~円、おつり返さないことがある)要求してくる新聞

深夜2時に起きたニュースが、13時間後の夕刊で報じられるw

「米国でもトランプ前大統領を支持する人たちは」「対立陣営が嘘と断じるトランプ氏の言説を信じて疑わない」「不寛容な世論を拡大させ」  ←← これが統合失調症です。何言ってんのコイツ?陰謀論ってご存知?これがジャーナリスト?頭の病気を「使命感」でも思ってんのかな?

目を引く為の嘘見出し、内容とかけ離れたモノですし。信用できる記事って天気予報くらいでは?しかもリアルタイムには勝てない。

情報の発信という特権を独占して好き勝手やってたのがお前らマスゴミだもんな。そりゃSNSの台頭は目障りだろう、もう簡単に愚民を洗脳できなくなっちまったんだからな

文字のない便利紙として売れば? その方が需要あると思うw

包んだり敷いたり詰めたりするのには本当に便利なんだよね

報道の役目を果たしてないんだから消滅してくれて構わんわ。テレビ局も同様にどっちも一度全部潰して正常な人達で作り直さないと存在価値が無い

窓を拭くのに使ってました。

「求めてないニュースに出会える」って、そもそも求められてないって認めてるじゃん。デジタルがここまで便利に普及した以上、知りたい事を知りたい時にさっと情報を得られるという点で「ニュース」というジャンルである以上あらゆる点で紙媒体に勝ち目が無いんだから。おとなしくデジタルについて行けないお年寄り用と割り切るべき

インクが窓を磨くのに有用とか聞いた様な…

捏造と世論誘導ばかりで嫌気がさしたからじゃねぇの? そんなもん金払ってまで読みたいとおもわねぇわ。

『トランプ前大統領を支持する人たちは、対立陣営が「嘘」と断じるトランプ氏の言説を信じて疑わない』< その「嘘」と断じる証拠を提示せず、「陰謀論ダー」と喚くだけだからな

>SNSの利用者は「他人の意見」を聞こうとはしない 鏡見ろよ。

部数はゼロにならない。なぜかというと、省庁や自治体で購読しているから。しかも、1省で1部ということではなく、各局や各課で個別に購読しているので、1省でもそれなりの部数になる。しかも、紙媒体。そして、関係ある話題だけを切り抜きを作成して、各職場にコピーやpdf配布をしている。著作権法も微妙かも。

既得権益と勘違いして胡坐かいてたら時代の移り変わりに対応できなくなってるだけよ。ジャーナリズム?そんなん存在したか?

純粋に紙不便だから

ただでさえ太陽光パネルとかで森林伐採されて自然に優しくないし、紙媒体こそ環境保護税とか課しても良いかと。

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