「ダイスケさんと共演するのはYouTubeじゃない。『イッテQ!』です」…「夢が叶う時間」を目指す
「ジャニーズをやめて“魔法”が解けてしまった」独立直後、手越祐也(35)が味わった“四面楚歌” から続く
テレビから“消えた”手越は今、何を思うのか。そして最も思い入れのある“あの番組”へのメッセージーー。(全3回のうち3回目/#1、#2を読む)
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テレビ出演が減った現状をどのように思っていますか?
――2020年6月にジャニーズ事務所を退所されて、現在のお仕事の状況はいかがでしょうか?
手越 事務所にいた頃より、はるかに忙しいですね。スポーツのお仕事や音楽活動、ゲーム番組に、打ち合わせや会議も入ってくるので、毎日あっという間です。
――しかしテレビに関しては、以前に比べて手越さんの姿を拝見する機会が減りました。この状況についてどう思いますか。
手越 なかなかね…(笑)。やっぱり17、18年くらいずっと地上波にお世話になってきたのは、確かなんです。音楽番組も、もちろん『イッテQ!』やサッカーの番組でもお世話になって育てて頂いたのは今でも忘れていないですし、ありがたく思っています。そのおかげで手越祐也という名前を知ってもらい、本当に感謝しかありません。
僕の仕事のメンバーもそうなんですけど。昔から、テレビ局のスタッフ、プロデューサーとかディレクターとか、他の方もそうですけど、心の近い距離で一緒に作っていくのが好きで、ファミリーみたいな感じでやってきた仕事もたくさんあるんです。
――では、もし何かオファーがあったらテレビに出ますか?
手越 う~ん、どうかな。まあ、やりたい仕事だったらもちろん出たいです! 昔からやりたくないものとか、気合いが入れられないものは、絶対断わるようにしているので。
どの番組もそうですが、出たい人がウン万といるのに、これは合わないなと、思い入れがそこまでたぶん持てないというものに嫌々出るのは、失礼だと思っているんです。これはどうしてもやりたい! と思うのは、200%の力を入れてやりますけど。やりたいと思うものしか、基本やりたくないので。
内村さん、オセロ、ベッキーとはじめた『イッテQ!』は“命がけ”でした。
――手越さんは『世界の果てまでイッテQ!』でも活躍されました。思い入れも強かった番組ですよね?
手越 今まで、色々な番組に出させてもらいましたが、特に『イッテQ!』という番組は、最初は内村(光良)さんとベッキーとオセロの2人とではじめたときから、命がけでやってきたと思っています。
そこに(宮川)大輔さんや、出川(哲朗)さんが入ってきて、とんでもないプレッシャーなわけですよ。もう、ゴリゴリの実力派お笑い芸人の中に、アイドルが入るって。僕のVTRだけつまらなかったらダメじゃないですか…! しかも、僕が出てた頃は、視聴率が毎回20%超えてたから、僕の回だけ視聴率落ちても悲しいし。だから、毎回ロケは死ぬ気でやってたし、1本1本が真剣勝負でした。もう『イッテQ!』は、周りのレベルが高すぎて。
それに、僕は『イッテQ!』のプロデューサーやディレクターも大好きだし、今までの活動の中で、自分の知名度を上げてくれて、自分が一番誇れる番組はなんですか? と言ったら、間違いなく『イッテQ!』なんで。
総集編からカットされて、手越祐也が考えたこと
――2月に『イッテQ!』の総集編がありましたが、ご覧になりましたか。
手越 観てないですね。今、ゆっくりテレビを観る時間が無くて。
――今回の総集編では、手越さんの部分がカットになっていまして…。
手越 あぁ、それね、TwitterのDMで知ってます。「手越くんとベッキーが映ってなくて寂しかったです…!」みたいなのが結構きましたよ。
――そのDMを見て、どう思われましたか。
手越 うーん、なんですかね。でもこれはね、事務所とかテレビ局が考える問題なので、わからない。でも、なんだろうな…、別に、18年間ジャニーズ時代にやってきた仕事とか、グループとか番組とか全部、「あの頃があったから今があります…!」って胸張って言えるんですよ。別に消したい過去でもないし。
『イッテQ!』のスタッフ、出演者は今も大好きです。ダイスケさんといつかまた共演したい
――内村さんや宮川さんとのからみも見物でしたが、今でもおふたりとは連絡はとっていますか?
手越 もちろん、もちろん。僕はいまだに『イッテQ!』のグループLINEにも入ってるし。内村さんもダイスケさんも、ちょこちょこ連絡しますよ。内村さんは、ライブにも花を贈ってくれて、お礼のLINEも写真つきでするし。
あとダイスケさんは、ファンの方から、「なんでダイスケさんとコラボしないんですか?」って、フリーになった当初、結構きたんですよ。でも、やっぱりあの番組でダイスケさんとの思い出がたくさんあるし。ロケとか、カメラが回ってるところが全てじゃなくて一緒に買い物に行ったり、飲みに行ったり、休憩中にふざけあった光景とか。ダイスケさんとの時間がかなり濃かったんです。ダイスケさんとまたどこかで共演するとしたら、やっぱり可能なら『イッテQ!』って決めてるんですよ。だから生半可なものとか、中途半端なかたちで、ダイスケさんだからこそやりたくないなって。
でもダイスケさんが祭りでアジアとか、タイの祭りに行くって情報聞いたら。もう、普通にプライベートで、タイ側で出てやろうかなって(笑)。面白いじゃないですか。タイサイドで、僕がいたら。
――相手側にいきなり手越さんがいるという。
手越 プライベートだから(笑)こっちは。
でもさすがにね、そうなったら番組でもちょっと触れると思うんですよね。僕は『イッテQ!』のプロデューサーとか総合演出の方の優しさを知ってるので。あ、でもこの前の放送でも、イモトさんが僕の名前を出したとかって、ファンからDMきましたよ。
――ファンが逐一教えてくれるんですね。
手越 きます、きます。そうやって名前を出すのって、ほんとにダメだったら放送しないと思うんですよね。そこを使ってくれるのは、たぶん『イッテQ!』チームの愛だと思うし。
――手越さんが番組に出なくなって、内村さんが、「一人欠けておりますが」とお話しされていましたが、ご存知でしたか?
手越 知ってます。やっぱり嬉しいですよ。気にかけてくれて。内村さんとダイスケさんには、『イッテQ!』の収録のときに、いの一番に、事務所を辞めようと思ってるって相談してたし。「そうなんや。がんばりぃ」って2人とも言ってくれる人たちなので。「でも、それで手越くんと共演できなくなるのは嫌だな」とも言ってくれて。まぁほんと『イッテQ!』のチームは、あったかいですよ。森三中さんも含めて。もう全員大好きなので。
撮影=杉山拓也/文藝春秋
INFORMATION
4月12日から全国ツアーが行なわれます。詳細はHPをご覧ください。
https://yuyategoshi.com/
(松永 怜)