レストランで働いた元従業員が本音で明かす!ありがた迷惑客トップ10!
「確かに、レストラン業界にはありがた迷惑な客がいますよね。でも、これを言うとサービス業として失格とか言われそうですが…。」
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飲食店で働く従業員たちは、客の入店対応、料理のオーダーから提供まで、さまざまな業務を同時にこなさなければならない。そんななかで、客の何気ない行動が、じつは「歓迎されていない」場合もあるという。
◆「体調が悪くなるまで無理して食べないでほしい」
著名人や政治家なども利用する、いわゆる高級レストラン。高くて5万円ほどのコースが用意されている、そんなミシュラン1つ星を獲得しているフレンチレストランで働いていた鈴木恵梨香さん(仮名・30代)。
高級レストランに慣れていない人ほど、気をつけてほしいことがあったという。
「“一度はこのレストランで食事をしてみたい”と憧れて来ていただけるお客様も少なくありません。緊張しながら料理を楽しんでいるのですが、体調が悪くなっても無理して召し上がる人がいます」
そして、月に何人もの客が嘔吐してしまうそうだ。いったい、なぜなのか?
◆メインの料理が届いたころにはお腹いっぱいに……
「フレンチのコースの特性上、少量ずつ料理を提供するのですが、バターなどを使用した味付けが多い。ついついパンを何回もおかわりしたり、料理に合ったワインなどをたくさん飲んでしまったりするので、気づいたら意外とお腹がいっぱいになっているんです」
メインの料理を食べるころには、胸やけで気分を悪くする客もいる。その結果、トイレで嘔吐してしまうというのだが……。
「お客様が嘔吐されること自体は仕方がないと思いますし、仕事として割り切れます。問題なのは、ご自身で清掃をし、内緒にされることに困っていました」
トイレを拭くだけでは臭いは取れないため、すぐに他の客から「トイレがくさい」とクレームが入るそうだ。
「お客様にとっては恥ずかしいだろうし、迷惑をかけたくないとの思いからなのでしょうけど、正直、“ありがた迷惑”です」
◆紙ナプキンやおしぼりを食器に乗せる客にイラっ
イタリアンレストランではピザやパスタの提供が多いため、客は紙ナプキンで手を拭いたりパスタソースを取るために口元を拭いたりする。必ずといっていいほどテーブルの上はゴミでいっぱいになる。
「それは承知のうえなんですが、なかには、空いたお皿に使い終わったおしぼりや紙ナプキンを山のように乗せるお客様がいます。正直、それが私は嫌でした」
こう話すのは、イタリアンレストランでアルバイトをしていた戸田千穂さん(仮名・20代)だ。
特に小さな子ども連れの場合、汚れ防止の紙エプロンがあるというが、足元に散乱したまま気づかずに帰る客もいるそうだ。
◆洗うのに余計な時間がかかる
「もちろん、ゴミをひとまとめにしてくれるのはありがたいと思います。でもお皿のゴミは洗い場で分別しているので、ナプキンが油に引っ付いてなかなか取れないこともあるんです」
片付ける時間が余計にかかるため、本音を言えば迷惑だという。ナプキンが皿から取れないときは、水でふやかしたりスポンジでこすったりするなど、余計な作業が増える。
「当然、『やめてください』とは言えません」
レストランでナプキンの山を見ると、いまだに「あっ……」って思ってしまうと苦笑いで話してくれた。
<取材・文/chimi86 >
【chimi86】
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。