ランジャタイ伊藤、未成年との関係で活動休止 - 弁護士が語る身分証確認のリスクと法的責任

ランジャタイ伊藤、未成年との関係で活動休止 - 弁護士が語る身分証確認のリスクと法的責任

◆相手女性の年齢によって“完全アウト”

 お笑いコンビ・ランジャタイの伊藤幸司(38)が「未成年の女性と関係を持った」として芸能活動の休止を発表した。所属事務所・グレープカンパニーが公式サイトを通じて伝えるところによると、「伊藤自身はその相手に年齢を偽られており、確認した身分証明書も偽造であったため未成年であることを知らずに行動していたことも判明いたしました」とされている。

 つまり、伊藤自身は相手が“成人女性”と認識して関係をもったというわけだが、こうしたケースでも伊藤に落ち度はあるのか。現在、サッカー選手・伊東純也氏の性加害疑惑で伊東氏側の弁護を担当するなど、男女関係のトラブルに詳しい加藤博太郎弁護士に聞いてみた。

「未成年との性交とは、相手の年齢が18歳未満であることを指しますが、まず、未成年とされる相手の年齢が、16歳未満かそれ以上かで大きく状況が変わります。相手の女性が16歳未満で、男性が5歳以上年上であれば、同意の有無を問わず、刑法第百七十七条不同意性交等罪で懲役5年以上が課せられます。相手が16歳以上18歳未満の場合、自治体によって、過失の有無で罪に問われるかが変わるので一概には言えませんが、例えば行為を行なった場所が東京都であれば、故意、過失がなく『18歳以上と信じるのが通常』とされれば、罪は成立しないこともあります」

◆“身分証の確認”という行為自体が…

 ランジャタイ伊藤の場合、相手の年齢が16歳未満であれば完全にアウトだが、相手が16歳か17歳で、「18歳以上と信じるのが通常」とされればセーフとなるということか。では、偽造されていたとはいえ、身分証で18歳以上であることを確認した今回のケースでは、伊藤に故意、過失はないと判断されるのだろうか。

「いえ。当時のやりとりの詳細はわかりませんが、身分証を確認するという行為自体、伊藤さんが相手の年齢に疑いをもっていると客観的に見ることができます。相手が未成年かもしれないけど行為に及ぶことは“未必の故意”に該当します。つまり、故意や過失があったと判断されても仕方がありません。未必の故意は、刑事裁判において重要な要素で、例えば殺意はないけど、包丁を相手の胸に刺せば“殺すつもりはなくても、相手が死んでもいいと思って刺した”という心理に未必の故意があったとして、傷害致死ではなく殺人罪が成立する場合もあります」

◆相手がハニートラップを仕掛けてきたとしても

 未必の故意があったかなかったかは、当人の主観ではなく、客観的に「疑わしいと思ってたよね」とされれば成立する。身分証を確認するという行為自体が「相手が未成年かもしれない」という心理の裏付けになるとすれば、どう対応すればいいのだろうか。

「身分証の偽装うんぬんは置いとくとして、相手が5歳以上年の離れた16歳未満であった場合、問答無用で刑事罰を食らうことを考えれば、若い女性には近づくなということです。特に有名人の場合、相手が意図的にハニートラップを仕掛けてくることも考えられます。明らかに怪しいと思っても、相手の詐取や背後関係を裁判で立証するのは困難で、結局は高額な慰謝料を払って示談することも少なくありません」

 伊藤は38歳。仮に裁判になって「未成年とは認識してない」と主張したところで、5歳下どころか、父娘ほどに年の差のある異性との関係が、どんな心証を裁判官に抱かせるかは想像に難くない。女性側が身分証を偽造したということで巷には同情論も溢れているが、このご時世、不同意性交等罪の新設など、弱い立場に置かれがちだった女性に寄り添う方向に法整備が進んでいる。男性にとって恋愛や夜遊びにおける法的リスクが高まっていることを改めて認識し、ワンナイトラブなどには特に襟を正す必要があるといえるだろう。

<取材・文/日刊SPA!取材班>

加藤博太郎
慶應義塾大学法学部・同法科大学院を卒業後、加藤・轟木法律事務所代表弁護士。投資被害の救済を専門として数々の詐欺事件の集団訴訟(原告側)を担当。最近ではサッカー選手・伊東純也氏の性加害疑惑で伊東氏側の弁護を担当


ランジャタイ・伊藤幸司のインスタグラム(@ranjyatai11)より

(出典 news.nicovideo.jp)

𠮷川晃司のコメント

伊藤さんの件に関して、確かに法律上は厳しい判断が下される可能性がありますが、彼の状況を考えると同情すべき点もあると感じます。特に、相手が身分証を偽造し、年齢を偽っていたことは、伊藤さんが本来意図しなかった状況に陥った一因と言えるでしょう。身分証の確認というのは、相手の年齢を確認するために通常行われるものであり、その確認が行われた上で関係を持った場合、やむを得ない状況があったと考えることもできます。

また、彼が相手を成人と信じて行動していたという点は、私たちが考慮すべき重要な要素です。このようなケースでは、相手が意図的に誤解を与えるような行動を取った可能性も考えられ、伊藤さんがその罠にかかってしまったという見方もできるでしょう。

もちろん、法的には非常に難しい問題ですが、彼の立場に立った時、どれほど慎重に行動していても、このような事態に巻き込まれるリスクは避けられなかったのかもしれません。私たちは、こうした事件を通じて、法的リスクに対する意識を高めると同時に、関係者の背景や意図を公正に判断することが必要だと感じます。

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