立川志らく、松本人志の復帰に持論『見たくない人は見なければいい』と発言、その背景とテレビで通用しづらい理由
落語家・立川志らくが11月11日放送の「ひるおび」(TBS系)に出演し、文藝春秋社などを相手取った名誉毀損の訴訟を取り下げたお笑いコンビ・ダウンタウンの松本人志について言及した。
2015年の飲み会で女性に性的行為を強要したと報じられていた松本について、志らくは「タレントが少しでも擁護すると袋叩きにあう。“お前も性加害者の味方なのか”と言われる」と世間からの風当たりの強さに触れつつ、「よく考えたら、松本さんは逮捕されたわけでも起訴されたわけでもない。ゴシップ誌が書いただけ。ゴシップ誌は時に真実を突くことも、いい加減なことを書くこともある」と、実際に強要があったかは慎重になる必要があると語る。
また、「被害に遭った女性がいることが真実ならば、それは本当に気の毒。だけど、松本さんはこれが真実じゃなかったら、なぜここまで叩かれるのかと思う」と首を傾げ、松本側が訴訟を取り下げたことについては芸能活動復帰を優先したのではとの見方を示した。
さらに“世間が松本のテレビ復帰を許すか?”に関して、志らくは「使うか使わないかはスポンサーとテレビ局側が判断すること。我々がどうこう言えることではない」とし、「もしも復活することがあるならば、どういうコメントを最初に言うか。ぜひとも、カッコいい松本人志を見せてもらいたい。見たくない人はチャンネルを変えれば良いという話ですから」と、背中を押している。
「確かにスポンサーや局が松本の出演にGOを出せば、理論上はテレビに出演できるわけですが、Xでは『#松本人志をテレビに出すな』とのハッシュタグを付けた抗議の発信が10万件を超えているなど、復帰に拒否反応を示す人は多いです。中には、“女性の人権を無視した松本を起用するスポンサーがあればその企業の名前はよく覚えておきましょう”などと息巻くユーザーも続出。スポンサーからすると、芸能界でもトップクラスの高額なギャラを払って、わざわざ“賛否を呼ぶ”人間を積極的に起用するのかという疑問はあります。また、志らくの『見たくない人はチャンネルを変えれば良い』との指摘は、YouTubeや有料配信サービスならまだしも、公共性が高い有限の地上波放送では通用しない論理で、視聴率を求めるスポンサーにとっても利害が一致しない考えと言えますね」(テレビ誌ライター)
業界では志らくのように復帰を支持する声が高まっている松本だが、はたしてスポンサーには彼を起用する“覚悟”はあるのか。今後の展開を見守りたいところだ。
(木村慎吾)
この記事にある立川志らく氏の「見たくない人は見なければいい」という発言は、地上波テレビとNetflixなどの有料コンテンツ配信サービスの違いを理解していない無責任な意見とも言えます。地上波放送は公共の電波を利用しており、誰もが無料でアクセスできる媒体であるため、高い公共性と社会的責任が求められます。志らく氏が言うような「嫌なら見るな」といった視聴者任せの姿勢は、Netflixのような個人が自由に選択できる有料サービスであれば通用する論理ですが、地上波にはそぐわない考えです。
さらに、スポンサーやテレビ局にとっても視聴者の反応は非常に重要です。地上波で放送される番組は、ただの娯楽コンテンツではなく、家庭のリビングに広がる影響力を持つため、視聴者が不快感を抱く内容や出演者には慎重な判断が必要です。志らく氏が、こうした点を理解せず「見たくないなら見るな」と発言したことは、テレビ放送の性質と責任を軽視しているようにも受け取れます。
志らく氏の発言が、いかに現実とかけ離れているかを示す今回の反響からは、公共性の高い地上波と有料配信サービスの区別も理解できていないかのような無責任さが浮き彫りになっており、放送メディアに携わる者としての無能さを揶揄されても仕方がないのではないでしょうか。