NHKのど自慢がリニューアルしました。生バンドがなくなり、出場者はカラオケで歌うことになったのです。

これがネット上で不評の嵐に。“コストカットするところが違う”とか“これなら民放のカラオケ番組と変わらない”と散々な評価でした。

◆「音楽を楽しむふつうの人を支えるプロ」が醍醐味だったのに…

実際に見てみると味気ないことこのうえない。立体感のないのっぺりとしたカラオケ音源が音楽番組の魅力を失わせていました。

出場者が派手な動きで笑いを取るのど自慢おなじみの風景も、笑みを浮かべて見守るミュージシャンがいなくなったので、ただ素人が跳ね回っている映像になってしまった。リズムの取れない高齢の方に合わせて即座に演奏を変更する、あの職人芸もない。

音楽を自分なりに楽しむふつうの人たちを支えるプロ。この構図こそがのど自慢の醍醐味だったのに…。

◆付き合いで仕方なく行くカラオケを見ているよう

こうして一体感が失われたステージの風景に視聴者は冷めます。付き合いで仕方なく行くカラオケボックスを思い出してください。リニューアルのど自慢は、あの乾ききった時間なのです。

とはいえ、外からはわからない事情があるのだと思います。ネット上でも指摘されていた予算の問題や、どうしてもカラオケ音源を使わなければいけなくなったとか。

変わってしまったものは仕方ありません。とはいえ、このままでは間違いなく先細りしていく。

そこで、カラオケ使用の軸は変えずに目先を変えられるアイデアを考えてみたいと思います。

◆①生楽器の弾き語り

 まず、生楽器の弾き語りをする出場者も出してみる。楽器のセッティングにお金や手間がかかるのだとしても、ギターやキーボードだけならなんとかなりそうなもの。

以前ののど自慢でもときどき楽器持参の出演者がいましたが、記憶するかぎりバンドの伴奏なしのパフォーマンスはありませんでした。とすると、いまこそ実力を披露したい素人にとっては大チャンス。

“音楽を楽しむ”ことの意味でも、リラックスした人たちと真剣に取り組む人たちとで広がりを感じられるはずです。

◆②ジャンルの多様化

もうひとつは、ジャンルの多様化。リニューアル初回ではビリー・ジョエルの「ピアノマン」を歌うアメリカ人が出演していました。

このようにアメリカやイギリスの洋楽はもちろんのこと、ヨーロッパ各国のヒット曲とか、南米、中南米、アジア、アフリカ、中近東。日本で暮らす色んな国の人たちに歌ってもらったら楽しそうです。

これこそ演奏を覚える必要のないカラオケの利点を生かせるのではないでしょうか。

◆③アカペラでリアルガチの「のど自慢」

 最後はカラオケも楽器もなしの出場者も出してみる。アカペラですね。リアルガチの、のど自慢。スポーツイベントなどの国歌斉唱を考えてみると、いままでなかったほうがおかしいぐらいです。

ソロでもグループでも自らの声だけで勝負する人たちがいれば、緊張感が高まること間違いなし。

ハモネプ的なものからゴスペルや賛美歌、民謡、詩吟まで。なんなら浪曲だっていい。フリースタイルラップだって声の強さが重要ですから、立派なのど自慢です。

◆カラオケ縛りが続くなら、先行きが不安…

カラオケを6割ぐらいとして、残りの4割を弾き語り、外国曲、アカペラで分けるぐらいの感じにすれば、飽きずに見られると思うのですがどうでしょう?

ちょっとおふざけも交えつつ、色々と考えてみました。

いずれにせよ、このままカラオケ縛りが続けば早い段階で番組が終了してしまうのではないか。そんな不安を覚えたリニューアル初回でした。

文/石黒隆之

【石黒隆之】
音楽批評の他、スポーツ、エンタメ、政治について執筆。『新潮』『ユリイカ』等に音楽評論を寄稿。『Number』等でスポーツ取材の経験もあり。Twitter: @TakayukiIshigu4

(出典 news.nicovideo.jp)

𠮷川晃司のコメント

「NHKのど自慢の新しい形式、本当に改悪だと思います。付き合いで仕方なく行くカラオケに似た感じで、視聴者が楽しめない。このまま続けても、終わるのは時間の問題でしょう。」

<このニュースへのネットの反応>

そんなに自分達の望む番組にしたかったら民放に言うなり出資するなりして作ればいいでしょ、というかNHKに望むものはもうないから廃業にしてくれ

人に嫌われるような事・筋の通らないことを何十年も繰り返して当然の結果として資金繰りが厳しくなっただけだし、そこで真っ先に現場がしわ寄せを受ける構造は腐敗の一典型。のど自慢スタッフは何も悪い事してねーだろ。

生バンドな理由として、歌っている「人」に合わせて速度を変えてくれるような柔軟性もあったりして、ちょっとしたズレはバンドの方から合わせてくれたり、とか。そういう、素人をプロがプロの技で救ってくれる、みたいな部分が老舗のNHKっぽいって思っていたんだがな。

NHKって『より良い番組作り』のために受信料を取り立てている割に、番組の制作費などを削って低質な番組ばかり作っているんだよなぁ……ある意味、プレミアム会員にならないと動画をマトモに観れないニコ動よりも酷い。

筆者さんがここまで前向きに建設的な案を出せるのに感心した。でももうTV見ないけど。

何?製作費が足りない?上から下まで職員全員の給料を下げたらどうだろう?

最優先が自分たちの給料だからなまず番組予算を削る

のど自慢なんてここ10年見てないのでど~~~~~~~~でもいい

きちんと料金払ってるなら「生バンドが良かった」は提案として全然あり。

成績が下がったんなら責任者は責任とって減給したら?ああ、自分の給料は絶対削りたくないから番組の質だけひたすら落とすんですね

見る価値無し

国民から少なくない額の金を毟り取っておいて一体どこに予算が消えているというんだ・・・?

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