タクシー会社が呼びかける「ご遠慮いただきたいご乗車」とは?

タクシー会社が呼びかける「ご遠慮いただきたいご乗車」とは?

指定した目的地まで利用客を届けてくれるタクシー。

近年では、近くのタクシーをスピーディーに配車することのできる、タクシー配車アプリの利用が急増しており、私たちの生活はますます便利になっています。

しかし、一部の利用客による多重予約や無断キャンセルといった、モラル違反が後を絶たず、多くのタクシー会社が頭を悩ませているのです。

タクシー会社がマナーを守らない利用客に『お願い』

2024年8月2日、神奈川県藤沢市の片瀬江ノ島海岸に本社を構える、江ノ島タクシー株式会社はXアカウントを更新。

最近、複数のタクシー会社に電話やアプリで同時に配車をかけ、早く着いたタクシーに乗車した後、ほかのタクシーはキャンセルするという利用客が増えているといいます。

同社は「お願い」というひと言とともに、利用客にモラルを守るよう、こう呼び掛けました。

【 お願い 】

最近、GOアプリでご乗車される方で
GOアプリでタクシーを呼ぶ
→ 平行して【弊社】又は【他社】のタクシーを【電話】又は【アプリ】で配車をかける
→ 早く着いた方のタクシーに乗る
→ ご乗車しなかった方のタクシーはキャンセルもしくは、キャンセルしておいて~の一報のみ
のようなご乗車が増えております。

これに発生したご料金は、システム上、キャンセル料としても回収できないことになっています。
(キャンセル料で徴収をされる場合もあるが、GOにのみ支払われ、タクシー会社には支払われない)

システム上出来てしまうのが悪いと言われればそれまでですが、こちらもドライバーを動かして人件費も発生します、燃料費も発生します、ドライバーは売上にもならず給与にも影響してきます。

ご利用のお客様におかれましては、モラルを守っていただき、このようなご乗車はご遠慮いただきますようよろしくお願いいたします。

@enoshimataxi ーより引用

キャンセルされたタクシーは、システム上キャンセル料が回収できないといいます。

しかし、配車場所に向かうドライバーの人件費や燃料費は発生しており、ドライバーの売り上げにならないことで、給与にも影響が出てしまいます。

また、1人で複数台予約することで、配車可能なタクシーが少なくなり、ほかに利用したい人が困る原因にもなるでしょう。

「モラルを守っていただき、このようなご乗車はご遠慮いただきますようよろしくお願いいたします」と利用者に呼び掛けた、同社。

投稿には、利用者や同業者から共感の声が続々と寄せられました。

・これ、同業者として強く共感します。キャンセルするなら呼ばないで。

・これは本当に、日本全国のタクシー各社からの心からのお願い。

・昨今のタクシー不足は、このようなモラルを守らない人が引き起こしているといっても過言ではないですね。

また「統合アプリとかできればいいのになぁ。本末転倒かな」「システムの改善が進んで、しわ寄せが発生しない状況になってほしい」といった、システム側に関する声も。

同時に複数のタクシーを呼ぶ人は、「急いでいるから」「大事な用事があるから」と、自分を正当化しているかもしれません。

ですが、その考えは間違い。1人の自分勝手な行動により、タクシー会社を始め、多くの人に迷惑がかかるのです。

タクシー配車アプリは、本来利用客が少しでも早く便利にタクシーを利用するためにあるもの。

利用者とドライバーが、互いに気持ちよく利用するためにも、「自分さえよければ」という考えは捨てて、モラルを守りたいですね。


[文・構成/grape編集部]
出典
@enoshimataxi
※写真はイメージ

(出典 news.nicovideo.jp)

この記事で取り上げられている問題は、一部のタクシー利用客による無断キャンセルや多重予約といった、非常に迷惑でモラルに欠ける行為についてです。このような行動は、タクシー会社やドライバーにとって大きな負担を強いるだけでなく、他の利用者にも悪影響を与えています。

まず、タクシーを予約してからキャンセルすることは、配車準備のためにかかるドライバーの人件費や燃料費を無駄にする行為です。タクシー会社やドライバーは、配車のたびに労力をかけているにもかかわらず、キャンセルによってそれが全く報われない状況が続けば、経済的な損失だけでなく、働く意欲にも影響を及ぼします。

さらに、複数のタクシーを同時に予約し、早く到着したものだけを利用するという行為は、他の利用者にも迷惑をかける非常に自己中心的な行動です。タクシーの供給が限られている中で、無駄な予約が増えれば、他の利用者がタクシーを利用できないという事態を引き起こし、その結果、タクシーの不足が生じることにもつながります。

タクシー配車アプリは、便利で効率的にタクシーを利用するためのツールですが、その利便性を悪用している一部の利用者によって、システム全体の信頼性が損なわれる危険性があります。アプリの利便性を享受するためには、利用者が基本的なモラルと責任を持って行動することが不可欠です。

江ノ島タクシー株式会社が「モラルを守っていただきたい」と呼び掛けたことは、非常に重要なメッセージです。利用者一人一人が「自分さえ良ければ」という考えを改め、他人やシステム全体に配慮することが、持続可能で公平なタクシーサービスの利用につながります。

この問題は、単なるモラルの問題に留まらず、サービス業全般における利用者の責任とマナーの重要性を再認識させるものであり、社会全体での意識向上が求められます。

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