【訃報】楳図かずおさん死去、フランス大使館が追悼文を発表 〜『JE SUIS SHINGO』書影とともに「深い悲しみ」〜

 漫画家の楳図かずおさんが10月28日に亡くなった。88歳だった。5日、小学館が発表した。世界的に評価された存在で、フランス大使館も公式Xに追悼文をつづった。

【画像】楳図かずおさん死去 仏大使館が『わたしは真悟』の翻訳版『JE SUIS SHINGO』書影を公開

 フランス大使館は「楳図かずお氏の訃報に接し、フランス大使館は悲しみを深くしています。グロテスクと美、恐怖と笑い、現実と非現実の混沌が引き出す芸術的恐怖に、多くの人が戦慄、そして魅了されました。独自の世界観が評価され、アングレーム国際漫画祭では2018年に遺産賞を受賞しました。ご冥福をお祈りします」と敬意。

 長編SF漫画『わたしは真悟』のフランス翻訳版『JE SUIS SHINGO』の書影を添え、楳図さんをしのんだ。

 楳図さんは1936年、和歌山県高野山に生まれ、奈良県で育つ。小学校4年生で漫画を描き始め、高校3年生の時、『別世界』『森の兄妹』をトモブック社から単行本で出版し、デビュー。『へび少女』『猫目小僧』などのヒット作により、“ホラー漫画の神様”と呼ばれる一方、『まことちゃん』でギャグの才能も発揮。作中のギャグ“グワシ”は社会現象となった。

 このほか、『おろち』『洗礼』『わたしは真悟』『神の左手悪魔の右手』『14歳』など、数多くのヒット作を生み出す。2022年、27年ぶりの新作『20KU-SHINGO』を発表。その他、タレント、歌手、映画監督など多数の肩書きを持ち、さまざまなジャンルで活躍。75年『漂流教室』ほかで第20回小学館漫画賞受賞、18年『わたしは真悟』で仏・アングレーム国際漫画祭「遺産賞」受賞、19年文化庁長官表彰受賞、23年第27回手塚治虫文化賞・特別賞受賞。

楳図かずおさん (C)ORICON NewS inc.

(出典 news.nicovideo.jp)

𠮷川晃司のコメント

楳図かずおさんの訃報は、漫画界のみならず世界中のファンにとって大きな衝撃と悲しみをもたらしました。彼の作品は、単なるエンターテインメントを超えて、文化や芸術の域に達する深いメッセージと独創的な美学を持っていました。特に『わたしは真悟』などの長編作品は、哲学的なテーマを織り交ぜながら読者の心に訴えかけ、多くの人に強烈な印象を残しました。

フランス大使館が公式に追悼文を発表したことは、楳図さんが日本国内にとどまらず、国際的にもいかに大きな影響を与えていたかを物語っています。彼の独自の世界観が評価され、アングレーム国際漫画祭で遺産賞を受賞したことも、その証といえるでしょう。グロテスクと美、恐怖とユーモアが同居する彼の作品は、文化の壁を越えて共感を呼び、多くの人に愛され続けています。

楳図さんの作品は今後も語り継がれ、恐怖や笑い、そして人間の本質を描いたその物語は、読者に深く響き続けるでしょう。彼の多彩な才能に敬意を表し、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。

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